2012年3月10日土曜日

栗林プロのショットルーティーン



ファンの質問に栗林プロが応えていくコーナー。
栗林プロがリラックスした雰囲気で実際に球を撞きながら、的確に回答されいく素晴らしいコーナーです。
栗林Pは自分がどういう状態で撞いているのか明確に理解されているんですね。だいたいの事は言語化出来てらっしゃるし、ちょっとニュアンスが難しい部分は、実際に撞いてみて、自分の体に聞いて回答されているシーンが印象的でした。

今回は特に面白かったショットルーティーンのお話し(本編の9:10頃~)を書き起こして、考えてみました。長くなりますがお付き合い下さい♪


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司会
栗林プロ(超人)のショットのルーティーンを教えて下さい。との質問です。

栗P
僕は、手球(ネクスト/ライン)⇒加減で(力加減)⇒厚みが出てくるので、厚みに対して狙う。これをポン・ポン・ポンと作ってるだけです。

皆さんは、厚み⇒ネクスト⇒加減だと思うんですよ。

例えば僕が自分にとって悪いルーティーンというのは、厚みからみて手球をイメージして加減をするというのが一番悪いパターンです。

一番良い時は、ネクスト⇒加減で、撞き点が決まるんで厚みが出てくるんですよ。これが僕のルーティーンです。

だから構える時に、手球のイメージは入ってるんで、撞点を决めて、で、厚みが出てくるので、加減で撞く。

司会
って事は構えてから、加減とか捻りとか厚みとか、全く考えてないですか?立ってる時点で決めてますか?

栗P
あぁ~ほとんど決めてますね。ただ、決めれない精神状態の時も有るので、その時はなるべく、なるべくですよ、あのー加減を一生懸命イメージします。

悪い時の対処方法ですけど、悪い時は必ず加減を考えますね。厚みに対してしっかり加減をしてあげる。

司会
これは結構深いですねー。これ初心者の方とかも同じように考えたら良いですか~?


栗P
そうですねー。そうじゃないですかね。要は回数(実施した)によって慣れるか慣れないかで、それが当たり前になるルーティーンを自分で作っちゃえば。。


司会
じゃー、超人は球を見て考えてる時に、球が入ってるか入ってないか大体決まってくる様な感じ?


栗P
そうですね。もし、悪い状態の時に入ったボールは、”入ってくれた”としか思わないです。手球と撞点と加減をしっかりイメージして厚みを作った時は”入れた”と思います。

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※ほぼ、映像通りの言葉で起こしています。



皆さんのショットルーティーンと比べてどうでしたか??

私は最初のフレーズを聞いた瞬間、頭の中がクエスチョンだらけになってしまいまして、聞いて・頭で考えただけの状態ではカルチャーショックというか、驚きでした。

と、その前に私なりに言葉の整理を。



『厚み』はそんな説明が必要ないと思いますが、栗Pどういう風に厚みを見ているか?見えているのか?も聞きたかったです。(以前のCue'sの記事で利川プロへの厚みの質問で、『そんな厚み言われたかて、そことしか言えへん』という至極当然な回答を覚えていますが、上級者の方は殆どこういう答えだと思います。ただ栗林Pなら、面白い回答が聞けたか~って思いました)

『手球』これは手球がどう動くか、どう動かすか?=ライン(ネクスト)という意味で手球という使い方をされていたと思います。撞点を考える事も、ここに入っています。

『加減』後半でも度々出てくるこの言葉。これが一番本人しか分からない感覚でしょうね。(握りこみ?腕の振り?)なのかショットスピードなのかテイクバック-フォロースルーの量なのか。その日の調子やイメージで変わってくる部分だとも思います。加減と言葉だけを聞くと、そんな分かりきった事だろ!って言われそうですが、ご本人の言葉から発せられる『加減』には色々な意味が込められていた様に思います。『いい加減』これが一番難しいんですよね。




話を戻しまして、何がショックかって、文中にある様に、私も当然のごとく厚み⇒ライン⇒加減というのが普通(正しい)の事だと思っていました。厚みが分かっていないと手球の動く量が分からないじゃないか!とも思いました。

もしくは、その配置を見た瞬間、たいがい入れたいポケットは直ぐ決まるし、そのポケットへ入れるための厚みなんてアバウトには直ぐ分かる訳です。なので正確な厚みは最後で良いという意味なのかなーなんて事も考えました。


しかし、繰り返し映像を見て、文字おこしをしている時に、『撞き点が決まるんで厚みが出てくるんですよ』ってフレーズをちゃんと考える事で少し理解が進みました。

実はこのフレーズを最初に聞いた時には、撞き点と厚みに何の因果関係が?と全く理解出来ず、頭の中で無理やり聞かなかった事にしてたんですよ・・・(-_-;)どういう事かというと、あまりに自分でイメージ出来難くかったので脳が考える事を停止したというか、自分に不都合な事は見たくないといいますか・・・w暴走するためには一端活動停止が必要なのですよ。うん。

これと、『悪い時は加減を一生懸命考える』!うーーん。これも大変理解し難い。。調子が悪い時程、厚みを”見よう見よう”とアプローチしてしまう私には理解出来なかった。。

この2点をヒントに、こういう事かな?と思いついた回答が、同じ配置(振り)でも、捻りと加減と撞き方で厚み(みこしやスローも考慮した狙いの事です)は変わるじゃないか・・・。


はい・・・。当然の事ですよね。こんなの頭で理解してなくても、体が知っているハズです。


上級者になればなるほど、正確に体が覚えているハズです。プロともなれば、歩くのと同じくらいの感覚ではないでしょうか?歩く時に左右どちらの足から出すか考えるわけありません。

それなのに、最初に正確な厚みを決めておいて、ネクスト考えて、力加減考えて、さぁ構えて撞こうとして、風景見たら、なんか変だぞって、体が反応するわけですよ。多分ね。。。

もちろん、ネクスト考えて捻りを考えた時に、厚みの修正は無意識か意識内かの中間くらい?でやってるハズです。でも、最初に出した狙い点も体に残っていて、違和感を感じてしまう・・・。

もしくは、頭は最初の狙い点を撞きに行こうとしているが、体は捻り等を加味した方を撞きに行こうとして(逆のパターンもあるでしょう)、一人で喧嘩している状態とでも言いますか。調子良い時はどちらかが素直にゴメンなさいして、従ってるって事では!?

だから、俺は撞くのが遅いのか?いやセンターショットも遅いもんな、関係ないのかorz。。


ここまで書いてみると、今まで何回も『捻りも考慮した厚みで構えに入らないと駄目』(レストを軸に動かす場合はどうなんだろ)ってよく解説書やCue'sで見る説明を、栗林P流に言い換えた(栗林プロの言葉で順序よく並べた)だけじゃないか?って思いました。

ようやく栗林Pのおっしゃる、『手球⇒加減⇒厚み』という言葉がストーンと腹に落ちてきました。


これが最後の回答で、『手球と撞点と加減をしっかりイメージして厚みを作った時』という表現につながるのか!?と・・・。

この『厚みを作った時』という表現が、とても私には新鮮でした。厚みを作る!?!?!なんじゃそりゃーー。そんなもん最初から決まっとる事なんじゃないんかいと?とエセエセ関西弁が脳内連呼してました。

でも同じ捻るにしても加減や撞き方で、みこし等の量も、わずかながら変わってくる筈です。例えば、ひねる量が多くなればなるほど顕著だと思いますが、強く撞く時と弱く撞く時では厚みを調整してる方もいらっしゃると思います。シャフトによるか?ただそんな事、理論的に頭で考えるのではなくて、まさに『厚みが出てくる』という表現になる。


冷静に思い出してみると、自分が調子良い時も、まさに『手球ー加減ー厚み』になっている時じゃないのかな?って思い始めました。(調子が良い時は、何で調子が良いのだろうって?深ーく考えませんからね。)調子が悪かったり、何かがおかしい時程、先に一生懸命厚みを探しに行ってるんですね。

この調子悪い時に、栗林Pの『悪い時は加減をイメージします』って言葉がヒントになると思うのですが、これはまだよく分かりません。


興味深いのが、『決めれない精神状態の時』って言葉。栗林Pでもそういう時があるのかーってwプロも人間。そういう時はあるのですね。そういう状態でもプロとしての球を撞けるからプロなんでしょうね。


厚みに対してしっかり加減をしてあげる。』
うーーん。球道は険しくも楽しい。


長文失礼しました。栗林プロの回答があまりに新鮮だったので興奮してしまいました。
何か指摘や、迷える子羊にアドバイス頂けると嬉しいです。


※念の為、私の解釈なので、全然違ったらスイマセン。映像を見てご自分で判断・理解される事を強くお薦めします。

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